DAIHATSU Charade


シャレードの知名度は?
シャレードという名称の由来は、英語の charade で「謎解き」という意味です。
オードリー・ヘプバーン出演の映画にも「シャレード」というのがありましたが、その物語の内容も「謎解き」そのものでした。

ダイハツのシャレードは、5u(ヘーベー)カーという「謎かけ」をしたわけです。
家族が快適に乗れて、燃費がよく、しかも走りも優れている。つまり「広くて小さくて快適な経済車」という矛盾するポリシーを実現させた画期的な乗用車だったのです。
しかし、一般の人の知名度はどうでしょうか?
「今乗っている車は何?」と聞かれて、「シャレード」と答えると・・・
「あ〜 ・・」というなんとも間抜けな反応が返ってくるのが実情ではないでしょうか。

発売当時は「カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞するなど、一世を風靡した車ですから、ある程度の知名度はあるようです。しかし、名前は聞いたことがあるけど、どんな車か知らないし、興味もないというところでしょう。
軽自動車だと思っている人も結構いるようです。たまに、「よくラリーとかに出てたでしょう」といわれることもあります。

私自身も、中古車センターで偶然に、3代目の「GT-XX」を見かけるまでどんな車だかよく知らなかったのです。
初代シャレードが発売された1977年は、私はまだ小学生でした。でも当時のコマーシャルの「カーオブザイヤー受賞 シャ〜レード〜」というフレーズは今でも鮮明に覚えています。ただ、どんな形の車だか覚えていないし関心もなかったのです。なにしろ当時は大変なスーパーカーブームでしたから、小学6年生の自分は他の子と同様に、カメラを持って街道沿いでスーパーカーを写しまくっていました。


名前は知っているけど、今ひとつ印象に残らない車、そんな不思議な車がシャレードなのでしょう。
知名度を上げるためか、インパクトを与えるためなのかは知らないが、レースにも積極的(ダイハツとしては)に出ていたようです。
そのレースも、経済性を競う「エコラン」と力強さの「サファリラリー」という対照的なものに両方チャレンジして、優秀な成績を残したのもシャレードらしいところです。







主なラリー参加記録
時期 主な内容

1978年10月 第23回モービル・エコノミーラン(パリ)で、セダンXTEがV-1クラスで通算平均燃費17.57km/Lを記録し優勝
1979年1月 第47回モンテカルロラリーに初参加。最小排気量というハンディを克服し、4000kmを完走
1979年3月 第5回トータルオイル・エコノミーラン(シドニー〜メルボルンの1650km区間)で、セダンXGが通算平均燃費 18.14km/L を記録し優勝
1979年4月 第1回タイトニー・エコノミーラリー(シンガポール島内210kmコース)で通算平均燃費34.32km/Lを記録し優勝
1979年7月 第1回クウェート・タイムズラリー(200kmコース)で、無給油走破しクラス優勝
1979年8月 第1回4×4スペシャル・クロスカントリーレース(コロンビアの5km耐久専用コース)で、総合優勝
1979年9月 第3回マレーシアラリー(2400kmコース)で、総合優勝
1980年1月 第47回モンテカルロラリーのU-1クラスで、クラス2位
1981年1月 第48回モンテカルロラリーのU-1クラスで、クラス優勝
1981年9月 '81モトガードラリー(ニュージーランド・2300kmコース)で、U-4クラスで、クラス優勝
1982年4月 第30回サファリラリー(ケニアの5200kmコース)のU-1クラスで、クラス優勝


1983年6月 大学自動車部選抜、エコノミー・ツーリング・トライアル(東京〜下関1140km)で、同志社大チームがディーゼルで41.1km/Lを記録し優勝
1983年9月 ディーゼルTXとCXを使用し、日本列島10周連続走行にチャレンジ。2台が117日間、延べ2200名のドライバーの手で、7.2万kmを走破。燃費はTXが2870Lで25.1km/L、CXが2810Lで25.6km/L
1984年4月 第32回サファリラリーでノンターボがA-1クラスでクラス優勝、ターボはA-2クラスでクラス2位
1985年4月 第33回サファリラリーでガソリンターボがA-2クラスに、926TURBOがB-5クラスに各クラス優勝
1986年4月 第34回サファリラリーのA-1クラスで、クラス優勝


1987年4月 第35回サファリラリーでA-2クラスで、1,2,3位独占優勝
1988年1月 第56回モンテカルロラリーで、GT ti が N-3クラスの1、3、4位
1988年4月 第36回サファリラリーで、GT ti が総合12位
1988年6月 1000湖エコライン(フィンランド湖沼地帯)で、ディーゼルが26.95km/Lを記録し、総合優勝
同エコラインでは、10年連続総合優勝を飾る
1990年4月 第38回サファリラリーで1300TRがA-1クラスに、クラス優勝
1990年6月 世界ラリー選手権第7戦ニュージーランドラリー(2100kmコース)で、1000GT ti がN-3クラスで、クラス優勝
1990年11月 世界ラリー選手権最終戦RACラリー(2600kmコース)で、GT ti がN-3クラスで、クラス優勝
1991年4月 第39回サファリラリーで、1000ターボがA-3クラスにクラス優勝、1300EFIがA-1クラスのレディース部門にクラス優勝、総合では9、10、11、12位を占め、2年連続トップ10入りを果たす
1993年4月 第41回サファリラリーで1000ターボがクラス優勝、総合で5・6・7位を占める


このように、各種のラリーに参加し、素晴らしい成績を残したことも、ある程度の知名度アップにはなったようです。しかし、それが、直接に人気アップ、つまり売上アップにはあまりつながらなかったようです。
特に3代目のGT ti (GT-XX)は高性能であったのですが、国内のレースでは排気量の規定(ターボは1.4倍とみなす)で最小クラスの1300をわずかに超えてしまうのです。だから実質1クラス上で戦わなければならないことで国内レースには不向きだったことが残念です。
とにかく、外国のラリーに参加して、経済性と力強い走りの両面を実証して見せた点でも評価できる車だと思います。各種ラリーで、クラス優勝の常連としてシャレードの名をアピールはしましたが、それでも人々の印象にはあまり残らなかったようです。







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